日本の外壁を変える-vol.03

「省エネ」と「デザイン」の時代

 

それからは、営業はネットのみにして経費をおさえていたのですが、平成20年ごろからアクロフレックスを採用してくれる会社が増えてきました。ずっと提唱してきた外断熱も全国的なブームになって、塗り壁の需要も増えてきました。

そのころ、九州の住宅会社から、不思議な図面が届くようになりました。その家は、真四角で窓がないのです。シンプルを追及したようなデザイン性に優れた家でした。それが次々に建っていきます。

博多の設計事務所が開発したCASACUBEという家でした。大きな外壁には目地も割れも許されないということで、全国の数ある外壁からアクロフレックスを採用してくれたのです。

この家には多数の新しい試みがなされ、その評判は、東京まで知れ渡り、大手コンサル会社がパッケージ化することで全国に広まっていきました。もちろん、外壁は弊社のアクロフレックスですので、この家が広まると同時に全国からの問い合わせも爆発的に増えました。

「外断熱と塗り壁を同時に施工できる外壁がある。」と毎月のように全国から見学者が訪れました。

オメガジャパン創業から5年目、ようやく陽の目を見るようになりました。

北は北海道、南は沖縄まで

今では、日本全国から毎日のように見積や発注がいただけるようになりました。強みは、ウィングホームで10年以上培った施工ノウハウ。施工マニュアルを完備し、施工指導から個別相談まで工務店が開発した外壁ならではのサービスが売りです。販売実績も累計1,000棟を超えました。

同時に、全国の優秀な工務店とのつながりが年々増えていきました。それぞれ長い年月をかけて蓄積した強みを包み隠さず交換することで、お互いに刺激し合いながら成長していくことを楽しんでいる仲間です。

13年前、夢見てアメリカに渡り日本に持ち帰ってきた外断熱塗壁工法。高断熱、高気密で室内空気の汚染源である結露を生じません。耐震性、耐久性も抜群で、デザインも自由自在。今や、ウィングホームにはなくてはならないアイテムとなるだけでなく、全国の住宅会社のスタンダードになりました。

さらなる研究開発

数年前、漆喰のもつ優れた特性を知りました。自然素材で土に還り、外壁に使っても藻が生えず、雨だれも日光による自浄作用で消してしまう。しかも、その結晶構造が太陽光線を跳ね返すため、省エネ効果が他の壁とは比較にならないほど優れているのです。

外断熱は、建物の外側に断熱バリアを設けることで、外壁の熱が室内に侵入するのを防いでいます。この一番外側を熱線反射が強い漆喰で仕上げれば、最強の省エネ構造になるはずです。

しかし、研究を進めると、漆喰は自然素材であるがゆえ、外部に使うには付着力が弱く雨水が浸透しやすいという欠点が露呈してきました。

この欠点さえ克服できれば…。問題点を一つ一つ解決し、平成25年に外装用漆喰『ホワイトウォール』の開発に成功しました。今では、ウィングホームだけでなく全国の住宅会社にとってもなくてはならない外装仕上げ材となっています。

さらに、平成28年度には、新たな可能性を模索すべく、大学の研究室との共同研究をスタートします。

「日本の外壁を変える。」

「外壁のデザイン、性能を向上して家を進化に寄与する。」

私のライフワークはまだまだ続きます。

 

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 創業者

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現代表。自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 スタッフ紹介

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