ミャンマー出張2016冬①

私がミャンマー好きな理由

平成8年にウィングホームを立ち上げ早20年。自分で創業するなんてすごいね、と言われることもありますが、3代目とか4代目とかのほうが、代々地元に根付いて、ずっと信用を築いて今があるのだから、正直そっちのほうがすごいことだし、羨ましいと思うこともありました。

でも、よく考えると、提供するものは違いますが、私も斎藤家としてこの町で商売を始めて3代目で、ずっとこの町の皆さまに支えられて今があります。ミャンマーから帰ってきて改めてそう思いました。

大戦で浅草から焼け出され、身寄りのない菊川に疎開し、パン屋に丁稚していた祖父が見様見真似で始めた斎藤製パン。祖母と父、3人姉妹が家族総出でパンを作り続けて、私が物心つくころには普通に暮らせるようになっていました。

私が直ぐに軌道に乗れたのも、地元で信用を落とさず商売を続けてくれていた祖父、父とその家族のおかげです。

ミャンマーが大好きな理由は、ミャンマーへ行くと祖父や父が商売を始めたころの情景が目に浮かぶからです。戦後、調理具も不足する中、どうやってパンを作ったのか、写真も残されていないし、当時の話もしてくれなかったので、今となっては分かりませんが、ミャンマーの屋台をみると、こんな感じだったのかな~と懐かしさを覚えます。

名前も分からないけど旨かった~

初トライの臓物のごった煮、これも旨かった~

そういえば曽祖父も行商だったっていうし、私の先祖もこんな風に商魂たくましかったんだろうな。

 

 

延々と続くデコボコ道

実は、2009年から年に1度はミャンマーに訪れています。目的はミャンマーの子供たちの教育支援とソフトシェルクラブの養殖。

今回の目的は、現地で購入した工場用地の視察と現地農民への説明がメインです。

ヤンゴン市内から190㎞。ミャンマー最南端のパワティ村へ。日本なら2、3時間の距離ですが、デコボコ道が多くて片道8時間の旅。往復したら身体中痛んでしまいました。

現地の農民は細々と蟹を養殖しています。と言っても小さな蟹を入れておいて大きくなったら取って出荷するだけ。彼らにソフトシェルクラブ(脱皮蟹)の養殖をお願いするために現地説明会を開きました。

このきれいな建物はノルウェーのODAによって建てられたものだそうです。実は、ソフトシェルクラブ養殖事業は田舎の雇用創出とインフラ整備の目的もあります。農民は降ってわいたような日本人からの話に興味津々。

竹だけで見事に作られたゲストハウス

といっても、水も電気もガスも何もありません。トイレは地面に穴を掘っただけ。それでも前回泊まった家よりマシでした。

明るいうちに井戸水を自動車のバッテリーを利用してろ過。犬も牛も人ものんびり。

カセットコンロで料理しようとしたのですが火力が弱くて油が煮えません。そうこうしていたら、現地の子供が地面に穴を掘りだし、あっという間にカマドを作ってくれました。これには薪ストーブ歴10年以上の私も脱帽でした。

それにしても真っ暗。夜中に目を開けるとただの黒。目のなかの神経が光っているのが分かるほど。この暗さは初体験でした。

 

これがソフトシェルクラブ

脱皮したばかりの蟹を真水に付けて殻が硬化するのを防ぎ、そのまま油で揚げます。そのままパクっと美味しく食べられます。アメリカが発祥で中国、シンガポールではメジャーなのですが、日本ではあまり普及してないですね。

明かりはLED。電力消費が少ないので小さなバッテリーでも十分持ちます。途上国にとってまさに希望の光です。

 

続きは次回…。

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 創業者

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現代表。自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 スタッフ紹介

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