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工務店ってどんなとこ?

 

私が創業した20年前には、「工務店」の存在はあまり知られていませんでした。

工務店はハウスメーカーの下請けだと思っている人も多く、私も当時、近所の人から「どこの仕事をするの?」と聞かれ、「そうじゃなくて、自分で仕事を請けるんだ。」と説明しても、なかなか分かってもらえませんでした。

ただ、運よく2年目に老舗の寿司屋さん(清寿し)の店舗併用住宅を請け負わせていただいたことで、近所や知人に私のやりたい工務店の仕事を分かってもらうことができました。

 

工務店の定義

明確な定義は分かりませんが、全国の工務店、住宅会社、設計事務所などに10年以上、オメガの塗り壁を販売し施工指導を行っている私の経験から、以下のように定義したいと思います。

『工務店とは、正しく家をつくる能力がある会社であること。少なくとも、図面を管理し、予算を管理し、工程を管理し、施工品質を管理できる社員を有すること。』

 

次に、工務店の規模ですが、千差万別で、社長が一人で全てこなしてしまう個人業者から、支店を複数持って100棟以上こなすパワービルダーまで存在します。

そして、工務店には、お客様と直接請負契約を交わす「元請け工務店」と、自社で営業活動をせずにハウスメーカーなどから工事を請け負う「下請け工務店」が存在します。

下請け工務店は一般的に表に出てこないので、ここでは「工務店=元請け工務店」 として話を進めます。

 

工務店の仕事

家づくりの流れは大まかに

営業・契約 ⇒ 設計 ⇒ 工事 ⇒ アフター

となります。
工務店は先述した通り、このうちの「工事」のプロフェッショナルでなくてはなりません。アフターサービスは、契約した元請け会社が責任を担うのが一般的ですが、修理やメンテナンスは工事が関わるため、実際に動くのは工務店ということになります。

「営業・契約」については、元請け工務店なら必須要件となります。

「設計」については、設計事務所登録をして自社で設計士を雇っていれば、工務店の業務となりますが、設計のみ外注の工務店もあります。

ウィングホームは十数年前まで設計のみ外注しておりましたが、今では、営業・契約からアフターまでを全て自社で行う工務店です。

 

工務店の創業パターン

昔多かったパターンは、大工さんが近代的な管理手法を取り入れることで工務店化を図ったケース。

最近では、ハウスメーカーの下請け大工さんが、「脱下請け宣言」をして元請け工務店になるケースが目につきます。

元大工さんや元職人さんが工務店になって成功しているケースも全国には多々あり、情報交換しながら意識を高め合っている仲間の工務店も多数存在します。

そして、一番多いパターンは、工務店で修行した社員が独立するケースです。独立するきっかけは様々ですが、私のようにはじめから独立志向が強い場合もあるし、のれん分けの場合もあります。この業界は倒産が多いので、それをきっかけに創業するケースもよく見かけます。

他には、設計事務所が工事まで手掛けるようになって工務店になるケース。設計だけでは食っていけないという裏事情から工務店に転身したという話もよく聞きます。

 

着工棟数ごとの特徴

先日大手サッシメーカーの営業マンが、「年間30棟以下の工務店は軒並み売り上げを落としている。年間棟数が少ないほど凹みが大きい。」と嘆いていました。

度重なる法改正により、元請けの責任と業務範囲が拡大し、一定規模以上ないと生き残りがきびしい時代になったことは確かです。

しかし、規模を大きくしていくほどに作る家から個性がなくなり、お客様の個性も生かしにくくなっていきます。

(0~1棟)
ゼロイチ工務店と呼ばれ、昔活躍した大工さんが高齢になって、店じまいする直前の形態となります。毎年、数万社が消えていると言われています。

(5棟以下)
今の法規上ではビジネスとして成り立たない規模で、芸術的作品を作るか、よほど尖がっていないと生き残りは厳しい。創業して数年でこの壁を乗り越えられないと将来が危ぶまれます。

(6~10棟)
社長と奥さん、パートの3人、いわゆる三ちゃん経営(父ちゃん、母ちゃん、ばあちゃん)的なほのぼのとした経営スタイルです。

(10~20棟)
ワンマン社長とスタッフ、パート合わせて10名以下の規模です。ウィングホームも5、6年前までこの規模でした。楽しく家づくりができますが、経営的に安定しているとは言えません。総合展示場に出店して一か八かの勝負に出る工務店もあります。

(20~30棟)
一店舗でこなせる棟数の目安が30棟と言われています。これは路面店でも総合展示場内のモデルハウスでも同じです。つまり、一店舗で20棟以上こなせれば合格点ということになります。逆に多店舗展開をしていても合計で30棟に満たない会社はキャッシュフローが厳しくなります。

(30棟から100棟)
年間30棟以上をこなそうとすると多店舗展開が始まります。年間100棟近くこなす工務店をパワービルダーと呼びますが、静岡県では100棟に近くなると急激に落ち込むというジンクスがあり、なかなか100を超える工務店が育ちません。

 

で、ウィングホームはというと

直近の成績で年間36棟。毎月の上棟を一定にする平準着工を心掛けていますので、ちょうど毎月3棟上棟のペースです。

ショールームはありますが、基本1店舗で経営していますので、そろそろ手一杯になるかなと思っています。

しかし、今のところ支店展開は考えていませんので、一拠点でマックス40棟くらいを目標としています。

なぜ、ウィングホームが支店展開をしないのか、この理由については後日書きたいと思います。

 

 

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 社長

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現社長。スタッフを家族のように愛しつつ、主体性や個性を尊重する経営スタンスは、独自の世界観を漂わせている。日本屈指の断熱性能を誇る注文住宅を市場に提供し、自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 漆喰(商品名ホワイトウォール)などの塗り壁材、建築建材のメーカーであるオメガジャパン株式会社の代表取締役 社長。 元ラガーマンである。