最近、工務店を選択するお客様が全国的に増えてきたと聞きます。
工務店での家づくりは、インスタで気になったキッチンや洗面台をオーダーメイドで作ったり、お気に入りのタイルを貼ったりなど、自由な設計、デザインが可能です。成功すれば世界にたった一つしかない自分らしい家ができあがり、そこで送る人生は、経験したことのある人にしか分からない幸福感に満たされたものとなります。もちろんアフターサービスも安心です。そんな工務店をスーパー工務店と呼ぶこともあります。
しかし、工務店のなかにはダメダメ工務店があるのも事実で、そんなところに家をお願いしてしまったら悲惨なことになります。そんなダメダメ工務店には早く市場から退場してもらいたいと思うのですが、遅かれ早かれそうなることでしょう。
では、どうやってスーパー工務店とダメダメ工務店を見分けたらいいのでしょうか?
地域のリピート
「住宅はリピート産業だと思いますか?」
担当者に尋ねてみると面白いと思います。
一度建てたお客様が二度三度と建て替えることは滅多にありません。しかし、新築された家に遊びに行った兄弟姉妹が同じ会社に新築を依頼することがあります。これはご親族のリピートということになります。ウィングホームは創業23年になるので、新築やリフォームをさせていただいたお施主様のお子様のご依頼もいただけるようになってきました。とても嬉しいことです。
同様に新築された家に遊びに行ったり話を聞いたりしたご友人が同じ会社に依頼したとすれば、ご友人のリピートということになります。一般的には紹介と呼びますね。
同じ人から何度も依頼してもらうことがなくても、同じ地域の人から何度も依頼してもらえれば、地域のリピートということになります。
だから私は、住宅はリピート産業だと思っています。
ドーナツ型と拠点集中型
「施工エリアが決まっていますか?」
この質問も工務店を見分けるために有効です。
工事が始まると、家が完成するまでの間、担当者は毎日のように現場に通います。ということは、現場までの距離が遠いことはコストアップにつながります。一般的に、このコストアップ分は住宅価格に転嫁されないため、遠くの現場は利益ダウンとなってしまいます。アフターサービスの際にも、遠方へ伺うことは、人件費のアップにつながります。だから、工務店が健全経営するためには、現場を近くに集中させることが肝要です。これを拠点集中型と呼びます。
しかし、評判が悪く地域のリピートないダメダメ工務店は、施工エリアがどんどん広がっていきます。これをドーナツ化現象といって、本社の周辺には仕事がなくて遠方の仕事を追いかけるようになります。
私の周辺地域でもドーナツ化現象を起こして消えていった工務店が、ざっと思い返すだけでも3社あります。
身内の家を建てているか
「職人さんの自宅を建てているとしたら見学させてほしい。」
この質問もグッドです。
職人さんは、工務店の家に対する考え方や現場監理のレベルをよく知っています。
「職人に遠慮して妥協するな。緊張感のある現場にしなさい。現場で職人さんうるさがられても、シビアの現場監理をしていれば、必ず自分や身内の家を頼んでくれるから。」この信念で現場監理を教えてきました。実際に板金屋さん、電気屋さん、水道屋さん、大工さんの娘など今までに数多くのご依頼をいただいております。
もし、職人さんの自宅を請けたことがなかったり、案内できない場合は、ダメダメ工務店の可能性が高いと思います。良い工務店は、職人さんの家だけでなく、職人さんの子供達の家や親族の家を多く手がけているはずです。
社員が他の会社で家を建てているとしたら…言うまでもありませんね。
逆に全国のスーパー工務店では、お客様が転職して入社するといった現象が起きています。(ウィングの不動産担当鈴木もそのうちの一人です。)
会社の財務状況が優秀か
「会社の決算書をみせてください。」
この質問に当然のように対応してくれる工務店は大丈夫です。あーだ、こーだと言い訳したり、回答までに時間が掛かったりする工務店は危険です。
なぜなら、決算書は会社の成績書だからです市場から必要とされる会社は決算内容が良くなり、不必要とされる会社は悪くなります。例えば、人気がないから値引きして、そのため品質が低下し、アフターサービスも悪くなる。このマイナススパイラルに陥ると、あっという間に決算書は悪くなります。
決算書見せてなんて図々しいこと言えない、と思われるかもしれませんが、企業は面接で出身校や成績を当然のように聞いてきますね。もし、隠す人がいたら採用しようなんて思いません。上場会社は決算書を公開してますし、中小企業だからといって隠すものではありません。隠すとしたら何かあると疑ってみたほうがいいかもしれません。
決算書が悪い会社は近い将来いなくなる可能性が高いということです。アフターサービスのための費用が捻出できないことは言うまでもありません。
ちなみにウィングホームの帝国データバンク評点は57点です。(全国トップ5%以内の高評価です。)
資金計画表から親切かどうかを知る
数社からプランと見積りを出してもらって比較する方法があります。でも、二つの注意点があることをお伝えしますね。
一つ目の注意点は、相見積りの場合は、その仕事をとりたい工務店は仕様を最低ランクに下げて安くみせる傾向があるということです。そうなると、本来の各工務店のベストな提案を引き出せなくなる可能性があります。また、地盤改良費など掛かるかどうか分からない費用は見積りに上げないこともあるので、後で予想外の費用が上乗せされることもあります。
二つ目の注意点は、最近のスーパー工務店は、無料ではプランを描かない傾向にあるということです。ヒアリングをしてオンリーワンのプランを描くためには人件費が掛かるため、もし仕事にならない時には、そのコストが回収できなくなるからです。
と言っても、図面も見積りもないのに依頼するのは勇気が要りますよね。
だから、まずは資金計画表を作ってもらうのことをお勧めします。
資金計画表というのは、家を建てて引っ越しするまでの総費用の一覧表です。家の価格は大きさ(坪数)によって大きく変わりますが、それ以外の費用はあまり変動しません。だから、30坪の家を建てる資金計画と35坪の家を建てる資金計画を概算で出してもらえば、おおよその見当がつきます。資金計画表は打合せ時間と作成時間合わせて半日~1日あれば作成可能なので、無料で作成してくれるはずです。
この資金計画表を丁寧に作ってくれて、説明も親切にしてくれるかどうか、まずこの時点で工務店を比較することが可能です。
完成見学会に行ってみる
会社選びの王道は見学会に行ってみることです。
見学会では、間取りやデザインに目がいってしまいますが、会社選びという視点からいうと、他にもチェックポイントがたくさんあります。
①空気、臭いが自分に合うか?
その家の空気は一生吸い続けますので、好きか嫌いか感じてみましょう。
②スタッフが楽しそうか、チームワークが良さそうか、愛社精神があるか?
これから1年近く家づくりをしていくパートナーに利他の精神がないと、途中で疲れてしまうかもしれません。
③お客様との関係性は良好か?
見学させてもらっているお客様に対する感謝の気持ちや家を大切にする気持ちが感じられれば、自分の家も大切に扱ってくれることでしょう。
④契約後のお客様も見学にきているか?
その工務店と契約したあとでも色々なお家をみたいのは当たり前の気持ちですよね。建てたあともその工務店が新しくどんな家を建てるのか気になるのも当たり前です。その気持ちを大切にしている工務店は、契約後のお客様にも見学会の案内をしています。一方、次の新たなお客様のことしか考えていない会社は、契約後のお客様には案内をしていません。