外断熱バカになるまでの道のり-vol.01

メンターとの出会い

平成7年12月。沼津で工務店を経営されている岩崎社長から電話がありました。
「斎藤さん、来年から独立するって聞いたけど仕事ある?」「ちょっとやっかいな仕事だけど、引き受け手がいなくて困っている現場があるんだけど…」

その現場は遠く離れた三重県名張市の住宅街。最初に工事を請けた工務店が途中で倒産しまって困り果てているとのこと。年が明けて下見に行くと、途中で放り出された現場は今まで見たことの無いような悲惨な状況でした。「まさか、ここまで酷いとは!自分じゃ手に負えないかもしれない。」正直腰が引けました。しかし、お世話になっている岩崎社長の気持ちに応えたくて「これも縁、なにかプラスになるだろう。」と思い引き受けました。

 

外断熱との出会い

朝の4時にハイラックスサーフに道具を積み込んで菊川を出発。名張市に着いて、ガソリンスタンドのおじさんに「いい左官屋さんいたら紹介してくれ。」と頼んだのが第一声でした。見知らぬ土地で見知らぬ職人を使い、倒産でグシャグシャになっている現場をまとめるのは本当にたいへんでしたが、一つ一つ問題をクリアしていきました。

大工は静岡から連れて行きました。一緒に民宿に泊まり、電車に乗って、雪の積もった坂道を歩いて現場に通いました。私も作業着を着て一日中作業を手伝ったのですが、途中で大工が「なんかおかしい。この現場は暖かすぎる。」と言い出しました。確かに、作業が進むにつれて、ダウンを脱ぎ、セーターを脱ぎ、どんどん薄着になっていきます。ストーブをたいているわけでもないのに、作業員の熱気で室温が上がっているようでした。

「なんで?」「外は雪が降っているのに??」東京から来た設計士に尋ねると、これが「外断熱」の効果だと説明を受けました。まさにカルチャーショックでした。

「こんな家があるのか!」それからは、設計士が来るたびに質問攻め。熱交換式換気システムの施工にきた職人さんとも半日話し込みました。

「外断熱の家を静岡でも造ってみたい!」少年のように心が熱くなりました。

づづく

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 創業者

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現代表。自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 スタッフ紹介

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