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不況時代の住宅会社選びの最優先事項
最近、ユーチューブやり過ぎで題名が過剰になってるかもしれません(笑)
とはいえ、本当にやばい時代が来る可能性は大です。
コロナショックの影響は?
今日は3月22日。
世界中の都市でロックダウン、いわゆる外出禁止令が発令されています。実は、4月1日からアメリカ出張の予定でしたが、先日キャンセルしました。ギリギリまで行こうと思っていたので、向こうのカリフォルニアのパートナー、オレゴンの友人と連絡を取り合っていたのですが、アメリカでは毎日のように事態は深刻になっています。
そんななかで、日本はよく対策できていると思っています。
もともと日本人は綺麗好きで清潔ですし、握手、ハグもなく、さらに、政府の指導をみんなで守る国民性なので、海外よりは感染が抑え込みやすいのではないでしょうか。私見ですが、検査をしないのは重症患者のためにベッドを確保するためで、感染者を減らすより死亡者を減らすことにリソースを集中する戦略ではないでしょうか。
さて、経営者のはしくれとして、日々刻刻と変わる状況のなか今後の予測を立てなくてはなりません。どう未来予測し、どう対策するのか、経営手腕を問われるところです。
楽観的未来と悲観的未来の両方を考えてみました。
楽観的未来は、今がピークという見方です。今後、発症者、死亡者ともに減っていって4月上旬から中旬にかけて収束していく。5月の連休にはイベントやレストランも通常営業するという予測です。
ただし、これは日本国内に限る話であって、海外では終息するのは早くても今夏、場合によっては数年かかると言われていますので、国内患者数がピークアウトしたとしても経済が正常に戻ることはないでしょう。
悲観的未来は、日本でも一部の都市で外出禁止令が適用され、海外と同様に夏場過ぎまで混乱するという予測です。この場合、内需までも大きく落ち込み日本経済は大混乱に陥るでしょう。
ちなみに中国は、学校は閉鎖中ですが、武漢以外の会社や工場は正常の稼働状態に戻ったようです。建築資材の輸入も再開しています。万一、再発があっても、あれだけ強い取り締まりができる国ですから、また力業で終息させられるでしょう。
いずれにせよ、特効薬がみつかるまでは、世界的な混乱は続くことは確実で、今後2~3年は厳しい時代が続くことを覚悟すべきです。
住宅会社はこの逆境に耐えられるか
結論から言えば、この数年で10%から20%の住宅会社が市場から姿を消すと思います。
あまり言いたくない話なのですが、毎年3%くらいの住宅会社が市場から退場しているといわれています。これは高齢化で店をたたむ小さな工務店からハウスメーカーまで含めた数字です。
もともと、住宅産業は厳しい業界です。個々の会社をみれば強いところと弱いところががありますが、業界全体としては基礎体力が弱っており、この先も回復する理由が見当たりません。ハウスメーカーなどはアジアなど海外にシフトを始めたところもあります。
実際に、ここ10年で着工件数は7.5%ダウンしています。この先も同じ割合でダウンが続くならまだいいのですが、私は今後の10年で15%ダウンすることを予測しています。
理由は、婚姻件数がここ10年で15%減少しているからです。皆様もそうだと思いますが、結婚しないと新築一戸建ては持とうと思わないですよね。
ただし、1年で割ればマイナス1.5%の業界なので、これくらいは企業努力で何とかなると思います。しかし、ここにきて、二つの大きな逆風が吹きました。
二つの大きな逆風
ひとつ目は消費税増税です。
もともと「駆け込みなき冷え込み」が起こると言われていましたが、蓋をあけてみると、
2020年1月持ち家着工数が前年比13.8%減
という統計が先日発表されました。
そして、二つ目の逆風はコロナショックです。
まだ、影響は統計上に表れていませんが、計り知れないことは間違いありません。私は、先述した通り、早めの終息で10%、夏過ぎまで掛かると20%ダウンすることは考えられます。
消費税と合わせて合計で20~30%ダウン。これは免れないでしょう。
となると住宅会社のなかに倒産する会社が現れる可能性は避けられそうもありません。どんなところが危ないかというと、これは病気と同じと同じで、もともと体力があるところは何とか凌いで、もともと体力がないところが倒れていくということです。
もともと体力がなさそうなところは敬遠されて、ますます体力が落ちていくというスパイラルに陥ることになります。だから、体力からなくても空元気を演じるようになるでしょう。これを見極めることができないと悲惨な目にあってしまうことをお伝えしたいのです。
工務店緊急アンケート調査
ここまで書いていたら、新建ハウジングという業界紙が手元に届きました。
画像をご覧いただくと分かると思いますが、すでにかなり深刻な状況です。
どうやって危ない住宅会社を見分けるのか
確かなのは、信用調査をして、帝国データバンクや商工リサーチの会社の格付け、信用スコアをみればいいのですが、一般の人がネットで調べられるほど簡単ではありません。
で放送したように「会社の決算書をみせてください。」と質問するのがいいのではないでしょうか。
ただし、倒産直前まで来れば様々な兆候が見られます。
倒産直前にはあからさまに資金不足となりますので、【大幅値引き】によって【契約を急がせる】ようになります。こういう会社は避けてほしいと思います。契約したあとは【入金を前倒し】するよう依頼がきます。決してこの依頼に乗らないようにしてください。
次の兆候は、【役員や経理担当が退社する】ということですが、これも部外者には分かりにくいですよね。【社員の大量退社】だったら分かるかもしれません。
【取引先への支払いが遅れる】のは、早い時期から始まります。部外者には分からないかもしれませんが、畳屋さん、建具屋さん、内装屋さんなどは、現場の近くの職人を手配することが多いので、友人に職人さんがいれば聞いてみるのもいいでしょう。
極めつけは、【工事がストップしている】現場があるということです。支払いが遅れて職人さんが代金をもらえないからと近づかない、監督が辞めてしまった。お施主さんとトラブってるなど、現場がストップするということは何らかの異常事態です。二つ以上の現場が止まっていたらかなり危険信号だと思ってください。
ちなみに、金融機関に財務状況を尋ねても、業務上知りえた情報は守秘義務があるため、絶対に教えてくれません。
自分の身は自分で守るしかないのです。
孫氏の兵法
ちなみにウイングホームはの信用スコアはAです。控えめに言ってもトップ5%には入っています。
その理由は、一言で言うと生産性が高いということです。社長の私もプランを描きますし、専務も工事を受け持ち、常務もお客様担当をしています。しかも一拠点で営業マンを雇っていませんから営業経費が極端に抑えられています。
これは、孫氏の兵法です。『戦いを続けると、徐々に資金や兵力が消耗し、いつかは負ける時が来るから、戦わずして勝べし』という教えと理解しています。住宅業界に例えると、売上げ増加を急いで、支店展開したり、営業マンの大量採用をすることでヒズミが来るということです。
アフターコロナ
コロナの影響で数年で10~20%の会社が前倒しで市場から消えることが考えられます。
もともとが10年で15%の着工が消える業界ですから、前倒しで需給バランスが整うだけの話です。職人さんも団塊世代の一斉リタイヤの最中なので、そこのバランスもとれるはずです。
だから、ここ数年を乗り切った住宅会社は、またもとの日常に戻ることができると思います。しかし、消えゆく住宅会社、工務店やハウスメーカーを選択した人は、間違いなく大変な目にあうことになりますので、十分ご注意ください。