コロナショックは住まいをどう変えるか?

最初に、人との接触頻度の高いサービス業、感染の危険性が高い医療現場で働いている世界中の人に敬意と感謝を申し上げます。私も介護施設を運営しております。ご老人の場合には死と直結してしまいますので、スタッフのストレスは日に日に高まっています。そんななかで、今日のテーマはどうかと思いましたが、住まいをお考えの方には、1年以上の準備期間が必要なのであえてお話したいと思います。

3つの事象

私も経営者の端くれなので、毎日注意深く情報を収集しています。すると、次のような兆候が見つかりました。

一つ目は、年金をもらっているお年寄りと若者とで、考え方に隔たりがあります。お年寄りは働かなくても暮らしていける代わりに感染したら死ぬ可能性が高い。つまり自粛が容易だし、自粛しないとやばい。若者は働かなくてはならないが、感染しても症状が浅い。それでも自粛を余儀なくされていますが、若者の欲求は自粛生活では満たされにくい。お年寄りは、自粛前後で大きく生活が変わらない。

二つ目は、自粛や自宅待機しているとき、その住まいに外とのつながりがあるかどうかで、QOL(生活の質)が大きく異なります。ダイヤモンドプリンス号で2週間の軟禁状態を経験した人の中でもバルコニー付きの海側の部屋と、海が見えない内側の客員ではストレス状態に大きな隔たりがあったそうです。フランスやイタリアなどヨーロッパの都市部の自宅待機ではDV(家庭内暴力)の多発が問題になりましたが、バルコニーの有り無しによってストレスが異なったはずです。

三つ目は、「アフターコロナ」コロナ騒動が終わったあと、「ウィズコロナ」終わりはなくインフルエンザと同じように共存していく。などの造語が目につきます。
今回の騒動がいったん落ち着いたとしても、コロナウィルスは地上から消えないず、例えば10年ごとに新型ウィルスが猛威を振るう可能性があります。ということは、10年ごとに自粛生活を余儀なくされることは十分予測できます。

 

 

自粛生活に耐えられる住まいとは

上記の3つの事象から導き出される変化は、これからは『地方で隠居生活を楽しむ』のがステイタスになるということです。アメリカでは30年以上まえからアーリーリタイアして、ハワイ、ベンド、ラスベガスなど過ごしやすく自然豊かな地で老後を楽しむのが夢でした。最近は、リタイアしても面白くなくて再度都会に戻る人が増えているとも聞いていますが、アフターコロナは、また静かな老後を求める人が増えるのではないでしょうか。

日本でも軽井沢や伊豆に別荘を持つ人が一定数います。今までは、不便だといって何年もいっていなかった人が、今後は別荘を本拠地にして都会の住まい別荘化するようになるかもしれません。別荘を持っていなくても、都会の持ち家を売れば別荘地に中古一戸建てを買うのは十分可能なはずです。

新築の間取りはどう変わる?

大きく3つの変化が考えられます。

一つ目 帰ったら直ぐに手洗いうがいをしたい

今までも時々ご要望がありましたが、玄関ホールに洗面台を置くということです。どうせならトイレも配置してトイレ後にその洗面台で手を洗うようにします。一家にトイレ一か所だとすれば、玄関先のお客様からトイレの気配が分からないように工夫することを忘れずに。

 

二つ目 全ての生活を家で完結したい

コインランドリーにいかなくていいように、リンナイの乾太くんのような強力な衣類乾燥機を置く。買いだめできるように冷凍庫スペースを確保する。

ウィルスだけでなく雑菌にも敏感になるかもしれません。となると、布団は干すだけでなく熱湯消毒したくなります。敷布団掛布団は洗濯機や乾燥機に入るように薄いものが好まれます。となると、冬でも暖かいw断熱の家が普及するでしょう。

 

三つ目 家族全員がリモートワークしたい

ある日、突然リモートワークになるかもしれません。書斎を一つ作っておけば共働き夫婦でも寝室と書斎で仕事ができます。寝室に簡単な仕事ができる場所をつくっておいたほうがいいかもしれません。都会の会社が地方に「リモートワーク可能な人」を条件に求人募集する可能性もでてきます。

子供が自宅で授業を受ける日が来ることを十分予測できます。子供部屋があればいいのですが、スタディコーナーも重宝すると思います。

 

この3つを考えて家づくりをしましょう。

 

その他の変化

海外と日本を比べ、感染者数、死亡者数、致死率全て日本のほうが低いのはなぜでしょうか?

ダイヤモンドプリンス号の受け入れによりノウハウが蓄積されたという声もありますが、石鹸による手洗いうがい、マスクが普及、握手ハグの習慣がない、土足禁止、BCG接種など様々な憶測があります。

まだ確定するのは時期尚早ですが、日本が安心安全に加えて清潔な国であることが海外に賞賛されるのは間違いないと思います。

私が思うに、このうち海外に普及する一番は土足禁止。日本人をホームスティで受け入れした家庭の奥さんが、玄関先で靴を脱ぐ習慣をみてお掃除が楽だと直ぐに真似したのを見た記憶があります。

面白い話があってアメリカ人に「なぜ家のなかで土足なのか?」尋ねたところ、しばらく考え込んで「分からない。昔からそうだった。」と答えられたことがあります。

オレゴンの友人と連絡を取り合っているのですが、soap(石鹸)が足りないそうです。日本では石鹸の不足は聞きませんよね。各家庭にお中元やお歳暮でいただいた固形石鹸が多数眠っているのではないでしょうか。これからは海外でも石鹸による手洗いが習慣化されるかもしれません。

田舎に住んでいると当たり前すぎて気づきませんが、電車よりも車通勤のほうが何倍も感染リスクを減らせます。土地を選ぶとき、車通勤を前提に探すのもいいかも。

 

 

 

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 社長

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現社長。自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 スタッフ紹介