今日、2020/9/1にウィングホームの社長が私から旧専務の鈴木に交代しました。突然のように聞こえるかもしれませんが、私が50才になった6年前からの計画です。社長は交代しますが、私が代表取締役であることは変わりません。社長と代表はどこがどう違うのか分かりにくいと思いますが、この話をすると長くなるのでここでは割愛させていただきます。4年後、私が60才になったところで代表権についても鈴木に委譲する計画です。つまりウィングホームの経営を10年かけて継承する計画を立てているということです。その一つ目の大きな節目が今回の社長交代となります。次の節目は4年後の代表者交代です。それが終わると10年かけて計画していた事業継承が完了することになります。
それにしても60で引退というのは早すぎると思われる方もいると思いますので理由を説明します。
一番の理由は
私たち工務店にとって、一番大事な責務は、家守りを継続することです。家は建てて終わりではないので、そこに家があり続ける以上、会社もあり続けること。これが最優先事項です。そのためには、毎年健全経営を続けることが肝要です。つまり、会社の経営陣が常に万全であることが要求されます。
鈴木は、私が独立して初めての部下であり、若い頃の私が1から10までスパルタで鍛えた叩き上げです。鈴木にはもうすでに日常業務のほとんどを任せており、社長としての器も十分に育ってきています。社長という重責を担う覚悟もあります。ウィングホームにとってこんな幸いなことはありません。鈴木は今年40才でやる気も体力もみなぎっています。もちろん私も今はやる気も体力もあります。しかし、ここで経営判断が必要となります。社長交代の時期を「私のタイミングでするのか、鈴木のタイミングでするのか」という判断です。もし、自分のタイミングだとしたら、巷には70才でバリバリの社長もいるわけですから、あと15年社長を続けても問題ないはずです。でも、そのときの鈴木の年齢は56才。そこから社長をやって何ができるのでしょうか?だから、私は自分のタイミングよりも鈴木のタイミングを優先しました。中小企業にとって後継者は大きな課題です。それが、幸いなことにウィングホームには鈴木というリーダーが育ちました。このタイミングを逃したら、後継者問題を将来に先送りするだけになってしまいます。
しかも、鈴木が専務から社長になることにより、ポストが一つずつ下のものに明け渡されます。専務の席には設計部長の長島が格上げとなります。長島は専務の次に入社した女性建築士です。専務と同じようにスパルタで鍛え上げましたのでミセス・ウィングホームと言っても過言ではありません。長島が専務に上がれば、若手のリーダー格の加藤が部長にあがるということで、上層部の若返り化が図れるのも嬉しいことです。
それと、私が若いうちに社長交代することは、大きなリスクヘッジになります。先述したように、我々の一番の責務は家守りの継続です。万一のことも考えておかなくてはいけません。もし、いま私に事故や病気など経営に支障が起こるような事態が起こったら鈴木がいます。鈴木が社長になったあと、鈴木に何か起こったら、さらに若手から新社長を選出する手もありますが、この先10年、20年くらいの間ならまだ若い私が社長に返り咲くことも可能です。とにかく、どんな状況であっても事業の継続と家守りが第一ですから。
設計と発信は続けますよ。
私は設計が大好きです。社長をしながらもプランニングをしているのはご存知ですよね。だから、社長を交代したら、今まで以上に、プランニングに磨きをかけたいと思っています。もちろん、後任も育てつつとなりますが、社長をやめて引退ということではないので、代表取締役プランナーとしてウィングホームに居続けます。60才になって代表権を継承した後もお客様から支持されている間は設計士としてプランを続けたいと思っています。
もちろんユーチューブによる発信も続けます。動画の最初に「ウィングホーム代表の斎藤です。」と「社長」でなく「代表」と言っていたのも、この継承が予定されていたからなんです。
これからは「代表」と読んでください。
今回ウィングホームの社長は降りますが、私は他に4つの会社を持っていて、この4つの会社の社長は今まで通り続けます。そうすると鈴木も私も「社長」となってしまい分かりにくいので、9月以降は鈴木を「社長」、私を「代表」と呼ぶように社内で示し合わせています。4つ会社のなかで一番古いのは、オメガジャパンです。16年前に立ち上げた塗り壁のメーカーです。ウィングホームと隣り合わせに事務所があり、これからもオメガジャパンの社長席に私が座ります。他は、今回の事業継承のために、ウィングホームの事業を分社化したもので、不動産と保険を扱うウィングライフ、介護事業を営む令和ルーム、輸入建材のパレックスとなります。
鈴木新社長、長島新専務は、20年以上も私に仕えてくれて、私の理不尽な要求にも耐え、縁の下の力持ちとして私を支えてくれました。これからは、私が縁の下に入り込み、新しい経営陣を支えていきたいと思います。
おかげさまです。ありがとうございます。