階段の部位
日常生活の中で、様々な場所・タイミングで利用することの多い”階段”ですが、その階段にはそれぞれの部分に名称や基準があるので、それを少し紹介します。
踏板・踏面
踏板(ふみいた)とは、階段の足を乗せる板の事を指し、踏面(ふみづら)は、踏板の奥行き寸法の事を指します。
踏面の寸法には基準があり、共同住宅を除く一般住宅では「15㎝以上」とすると建築基準法で定められています。ただ大人の足の大きさを考えると、踏面を15㎝ギリギリでつくってしまうと、結構狭い階段になってしまうため、ウィングホームも含め一般的には20㎝以上とすることが多いです。
蹴上
蹴上(けあげ)とは、階段の一段分の高さの事で、踏板~踏板までの高さを指します。
この蹴上の寸法が小さくなれば階段の段数が多くなり、逆に蹴上寸法が大きくなれば段数は少なくなります。
蹴上の高さにも基準が設けられていて、建築基準法で「23㎝以下」と定められています。これもまた23㎝でつくってしまうと、やや登りづらくなってしまうため、一般的には20㎝前後の高さとすることが多いです。
段鼻・蹴込み
☝の踏板で手前側へ突出した部分がありますが、この突出した先端部分の事を段鼻(だんばな)と言い、段板と段板とを縦に結ぶ垂直の板の事を蹴込み板(けこみいた)と言います。
この蹴込み板と段鼻との間に少し奥まった空間がありますが、この部分の事を蹴込みと言い、階段のつまづき防止・昇降時の恐怖感の軽減などの役割があります。
蹴込みを大きくし過ぎると昇降の際に、つま先が段鼻部分に引っかかってしまう可能性があるため、30㎜程度とするのが良いとされているようです。
階段の横幅・踊り場
実は階段の横幅にも基準があり、一般住宅の場合、75㎝以上としなければならないと決められています。
また住宅の階段ではあまり見かけないですが、踊り場にも基準があり、階段の高さが4mを超える場合には、4m以内ごとに1か所踊り場を設ける事や、幅を75㎝以上としなければならないなどがあります。
ちなみに階段に踊り場が必要な理由として、昇降時に小休憩を取れるようにして、体への負担を軽減することや、万が一階段を踏み外した際に、一番下まで落下しないようにして大けがを招かないようにする事があげられます。
最後に
普段何気なく利用している階段も建物を構成する重要な設備であり、どんな階段にするかによって、その建物の利便性やデザイン性が変わるものだと思うので、いろんな部位の名称を覚えつつ階段に対して少しでも興味を持ってみると面白いかもしれません。