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「吹抜け」と「高天井」
ある時、「吹抜け」と「高天井」とが別物であるという事を話す機会があり、実際自分もその2つを混同して話してしまう事があったので、今回「吹抜け」と「高天井」との違いを紹介してみたいと思います。
吹抜けと高天井との違い
違いとは言うものの、「吹抜け」や「高天井」について明確に規定されている定義はないようです。一般的には下階と上階との空間が繋がっているのもを「吹抜け」、上階と空間が繋がっていない、天井が高いだけのものを「高天井」と言うようです。
2階建ての住宅で例えると、天井の高い1階の部屋で、その部屋を見下ろせられるように2階部分に手すりや室内窓が設けられている構造を「吹抜け」と言います。
逆に天井高さが2階天井まであるような1階の部屋でも、ただ周りを壁のみで囲われているような空間は「高天井」になります。
上下階の空間を繋ぐかどうかが違いになってくるため、平屋建ての建物の場合だと「高天井」の部屋は作れるけれど、「吹抜け」の部屋は作れないという事になります。
それぞれのメリット
吹抜けは上階と下階の空間を繋げることが出来るので、開放感を演出できること以外にも、上下階での人の動きを把握しやすくなる事や、吹抜けを介しての家族同士の交流を促進することが出来ます。
高天井も同じく開放感を演出できますがその他にも、1つの部屋の空間を大きくするため高級感のある雰囲気の部屋を演出できたり、吹抜けと違い空間が繋がっていないため、騒音の防止や冷暖房の効きを高めたりすることができます。
また吹抜け・高天井どちらも、天井の高い空間のため、上部に窓を設けることで下階への採光をより多く確保することが出来たり、温度差換気による屋内の通風の向上も期待できます。
最後に
冷静に考えてイメージすれば、それぞれの違いについてはっきり分かるのですが、実際に平面図などの図面を書いたり見たりするときには、床が無い部分を全て「吹抜け」として何となく頭で処理してしまっていたように感じます。
似たような空間の「吹抜け」と「高天井」ですが、実際には意味の異なるもの同士のため、誰かに説明するときはそれぞれの言葉を混同しないようにしていきたいと思います。