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駐車場のマンホール
家の駐車場などで、たまに見かける2つ並んだマンホールにしか見えない浄化槽について、簡単にですが調べてみました。
浄化槽とは
浄化槽とは下水道の使える地域以外の地域において、建物から排出される生活排水や汚水を浄化し、川や海に放流する為の設備になります。
有機物を分解してくれる微生物を槽の中で繁殖させ、流れてくる排水に含まれる有機物を分解してもらうことで水をきれいにしています。
浄化槽の構成
浄化槽は地面の上から見るとマンホールにしか見えないものですが、その下はいくつかの層に分かれております。液体と固体に分ける分離槽、固形物の除去や微生物が汚水を分解する接触ろ床槽や沈殿槽、放流水を消毒する消毒槽と、様々な役割の水槽から構成される設備が地面の下に埋まっています。
またブロアー(エアーポンプ)という接触ろ床槽に空気を送る機械も、本体から少し離れた雨のかからない場所(家の外壁面の軒下など)に設置されています。
各水槽のはたらき
小規模な家庭用合併処理浄化槽の処理方法には、嫌気ろ床接触ばっ気方式、分離接触ばっ気方式、性能例示型(コンパクト型)等の方式がありますが、今回はウィングホームが使用している嫌気分離接触ろ床方式の浄化槽について説明します。
・固液分離槽のはたらき
汚水が最初に入ってくる場所で、汚水を液体と固体に分ける働きをします。固液分離槽に入ってきた汚水は、水より軽い固体が槽の上層へ浮き上がり、下層に水よりも重い固体が沈殿するようになります。そうなった状態でより浄化処理すべき槽の中間にある液体を次の層に送ります。
・嫌気分離槽
嫌気性微生物(酸素のないところで働く微生物)によって汚水中の浮遊物等を取り除く役割があります。
・接触ろ床槽
ブロアーから送り込まれる空気が十分にある状態で接触材(ろ材)についた微生物が汚水中の有機物を分解する働きがあります。
この槽は、接触ろ床槽で繁殖した微生物や固形の汚れを沈殿させ、きれいになったうわ水を消毒槽に送り、沈殿物をばっき槽に戻す役目をしています。ばっ気槽で活発に動いていた汚水をうまく静止させたり、沈殿物をうまく戻す工夫がされています。
・消毒槽の働き
処理水を浄化槽から放流するための消毒を行う場所になります。
・ブロアー(エアーポンプ)
接触ろ床槽の中にいる微生物を繁殖させるための空気を送り込むための設備です。空気を送り込むというのは酸素を好む微生物を繁殖させるためと同時に汚水を撹拌させる役割もあります。
微生物のための設備でもあるため、ブロアー(エアーポンプ)が故障すると短時間に酸素を好む微生物が死滅し悪臭を発するようになってしまいます。
浄化槽法定検査
浄化槽の設置者には環境省が定める浄化槽法により、次の3点が義務付けられています。(静岡県)
・法定検査
年に一度、静岡県知事の指定を受けた唯一の検査機関である一般財団法人静岡県生活科学検査センターに依頼して受検しなければなりません。
・保守点検
浄化槽のいろいろな装置が正しく機能しているかを点検・調整して、消毒薬の補充をすることが大切です。
浄化槽の働きを維持するために重要な作業で、定期的な実施が決められているため県知事の登録を受けた専門の保守点検業者に委託して行う必要があります。
・清掃
浄化の過程で発生する汚泥などの汚れが溜まるため、その汚れを浄化槽から引き出し、槽内をきれいにすることが大切になります。
水質悪化の予防のために重要な作業で、年一回以上の実施が決められているため、市町村長の許可を受けた浄化槽清掃業者に委託して行う必要があります。