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超ド級の業界裏話をします。
帝国データバンクという企業の財務調査をする会社の担当者が恐ろしいデータを見せてくれました。それは、静岡県内の住宅会社の業績一覧表なのですが、そこには純利益を出している会社が、2021年と2022年と続けて95社しかないことが示されていました。帝国データバンクが把握している県内の住宅会社は1800社だというので、約95%の1705社が赤字だということです。
2023年は、業界平均の着工件数が前年比15%ダウンだと言われていますので、今年はさらに赤字傾向が悪化しそうです。
既に全国的に倒産が爆増しています。依頼先の倒産リスクを十分に考慮するようお願いします。
ちなみに、ウィングホームは、営業経費を抑えることで創業以来30年間黒字経営を続けておりますのでご安心ください。
依頼先が倒産すると...
先日「いろいろ考えすぎて住宅会社選びのポイントが分からなくなってしまった。」とお客様から相談があり、文末のチェックリストと共に「倒産しない住宅会社を選ぶこと」が一番大切であると文章にまとめて説明させていただきました。
今回のブログはその焼き増しになります。
お施主様にとって、一番のリスクは建築中の倒産です。支払い済みの資金は戻ってきませんし、倒産した工事途中の現場を引き継ぐ会社を探すのは困難です。もし見つかったとしても相当額の追加資金が必要となります。
引渡し後の倒産も悲惨です。本来なら無償でお願いできたはずのアフターサービスをしてくれる工務店を探さなくてはならないし、有償なのでメンテナンスを疎かにしてしまい家の寿命を落とすことになるかもしれません。
15という数字が決め手
30年以上この業界で数多くの工務店と情報交換を続け、20年間建材屋(オメガジャパン)として全国400社以上の住宅会社と取引をしてきて、倒産するかしないかの境界線に15という数字があることに気づきました。
それは、社歴15年以上、従業員15人以上、年間棟数15棟以上が安定経営の目安だということです。
社歴15年というのは、創業から10年目前後で倒産する確率が高いからです。このころになると良きも悪しきも地域の評判ができあがってくるのと、赤字の雪だるまが限界にくるからです。逆に言うと15年経過すると経営が安定していきます。
従業員15人以上というのは、経営が安定していない会社はここまで社員を抱えられないということ、経営者の人格が変だと15人もの社員がついていかないということ、15人以上いればアフターサービスにも人材を置けるので評判が落ちにくということからです。
年間棟数15棟以上というのは、しっかりした家づくりとアフターサービスを続けていれば、その会社で建てたいという人が徐々に増えてきて、そのニーズに応えるだけで15棟くらいは着工できるからです。また、本社経費(社長や従業員の給料、事務所家賃、水道光熱費、宣伝広告費)は一棟当たりの利益から捻出しなくてはならないので、15棟以下だと費用対効果が悪すぎて経営が安定しません。
ですから、上の3項目すべてにおいて15という数字をクリアしている会社は、倒産リスクが低いとみなすことができます。
倒産する工務店の特徴
確信しているのは、ドーナツ化現象を起こした会社は倒産するということです。
評判が悪い会社は、紹介が少ない分、営業マンを増やすしかありません。営業マンの比率が高い会社はそれだけ経費が掛かり、支払った大切なお金が「家以外の経費に使われてしまう」ことになります。そうなると、また評判が悪くなります。
評判が悪くなると、近場で仕事がとれなくなって、評判の届かない周辺の地域に営業エリアを広げることになります。そこでまた評判を落とすと、さらに営業エリアを広げるため、営業エリアが極端に広いドーナツ化現象を起こします。
ドーナツ化現象を起こした会社はほぼ全滅しています。
クチコミの信頼性
最近、大手ハウスメーカーがユーチューバーやインフルエンサーなどにお金を払ってSNSやクチコミを演出しています。このような利害関係者からのクチコミは当てになりません。
それでは、そうでない一般の人の口コミは信頼できるのかというと、それはどんな立場の人なのかによると思います。
まず、建てていない人の口コミは意味がありません。信頼度5%以下。
契約直後の口コミは信頼度10%以下。満足していなければ契約しないので、契約直後は満足度が高いものです。問題はこれから発生していきます。
引渡し直後の口コミは、悪い内容は80%以上の信頼性、良い内容はまだ信頼性50%程度でしょう。
大切なのは住み始めて1年以上経過した人の口コミです。これは80%以上信頼できます。理想なのは15年以上住んだ人の口コミです。アフターサービスが継続しているかどうかだけでなく、そのころになるとメンテナンス費用も掛かってくるので、そこまで含めた家の評価となります。
紹介率が高いと言っても...
紹介率も同様に利害関係者からの紹介は参考になりません。住宅会社、特に大手ハウスメーカーの中には、取引業者に紹介のノルマを与えているところがあります。家を一軒作るためには、その地域で営業している基礎、大工、電気、水道、外装など多くの業者が関係しているので、彼らが1社の住宅会社の仕事しか請けていない専属の取引会社だとすればその1社の言うことをきかざるを得ません。
また、紹介率にこだわってノルマを課すような会社は、見かけ上の紹介率を上げるための操作をすることもあります。
だから、誰からの紹介なのかが重要です。
・専属の取引業者からの紹介は当てにならない
・専属でなく複数の住宅会社と付き合いのある取引業者の紹介だったら意味がある
・一般のお客様が友人を紹介するのは信頼性が高い
・一般のお客様が自分の兄弟姉妹を紹介するのが一番信頼できる
ちなみに、ウィングホームは紹介率70%です。友人知人、兄弟姉妹のご紹介もたくさんいただいております。
上記の工務店チェックリストは、懇意にしているインスペクターの書籍からの引用です。インスペクターは、建物の専門的な知識・技能を有し、依頼先の図面や建物を第三者の立場から検査・調査する専門家ですが、その専門家のチェックリストにも「倒産リスク」が何項目か含まれていることに着目してください。
繰り返しますが、工務店選びの最重要チェック項目は「倒産しないこと、末永いお付き合いができること」です。どんなに素晴らしい家であっても、どんなにしっかりしたアフターサービスがあっても、依頼先が倒産すれば全てバブルのように消えてしまいます。
2番目に重要なのは地震に強いこと。「災害のときでも家で過ごせること」です。それができない家を建ててしまったら、災害時には長期にわたって避難所生活を送ることになってしまいます。どんなに間取りがよくても、どんなにデザインがよくても地震で危険建築物に指定されたら、帰ることができなくなってしまいます。
今回は、少し恐ろしい話だったかもしれませんが、依頼先が倒産するという最悪の事態を回避する一番の方法は、そこを見極めるしかないということです。
※冒頭にあげた帝国データバンクは、各企業に信頼性のスコアを付けていて、その点数が50点以上あれば安心だと言われています。(100点満点での採点ではありあません)この情報は、Niftyの会員になると1500円程度で入手できることがSNSで紹介されていますので、ご興味ある方は調べてみるのもいいでしょう。