割れる?剥がれる?漆喰の壁

漆喰ってポロポロ剥がれませんか?

時々お受けする質問です。それは気になりますよね。確かに、漆喰は施工しにくい材料ではあります。
でも、ご安心ください。適切に施工された漆喰の壁は、ほかのどんな塗壁よりもメンテナンスが容易なんです。

では、なぜそんなイメージがあるのかというと、二つの理由が考えられます。

一つ目は、古い家では土壁の上に漆喰を塗っていたため、土が崩れたり、漆喰が土から剥がれやすく、その古いイメージが残っている。

二つ目は、土壁からプラスターボードに下地が変わった後で開発された様々な塗壁材の耐久性が低かった。

塗り壁の歴史をみると、江戸時代には土壁の上に白い漆喰を塗ったお城や蔵が存在しています。土壁の上にジュラクなどの高級な土を塗り上げて仕上げることもありました。

その後、新しい塗壁材が開発されていったのですが、初期のものはつなぎ材に天然糊を使っていたため、表面の強度不足は否めず、最近ではさらに改良された塗壁材が普及しています。

 

 

一世風靡した繊維壁の今

繊維壁は、色のついた繊維やパルプとデンプンなどの糊を水で練って仕上げる材料です。塗りやすく、色も豊富で調湿効果も高いのですが、傷つきやすくパラパラと繊維が落ちるため、お掃除が大変なイメージがあります。

また、自然の糊を使っているため水分を含むとふやけて剥がれやすいという問題もあります。

実は、私の生家が繊維壁だったので、スプレーで大量の水をかけて剥がして、下地のモルタルにペンキを塗るというDIYをしたことがあります。

 

息をひそめる砂壁

砂壁は、色砂と糊を水で練って仕上げる材料です。天然砂やサンゴ、色ガラス粉などをブレンドして多くのバリエーションがつくられました。しかし、糊としてデンプンや海藻が使われていいたため、擦れるとポロポロ剥がれることがありました。

今では糊として合成樹脂を使うことで耐久性を高めた商品もあるようですが、もはや過去の栄光と言わざるを得ません。

 

今人気の塗り壁は?

私が思うに3つです。

まずは、漆喰。
漆喰は、空気中の二酸化炭素と反応することで自ら元の固まっていく材料で、施工後数日で元の石灰岩のようにカチカチになりますので、ポロポロ剥がれることはありません。
一番の特徴は「空気をきれいにすること」。化学物質も分解するし、生活臭や料理の臭いも分解してしまいます。天井・壁が漆喰で塗られた部屋に入るとマイナスイオンを感じるというか、森林浴のような清涼感があります。

次は、珪藻土。
漆喰よりも安くて施工も簡単です。調湿効果も高くカラーも豊富です。ただし、珪藻土は「砂」ですので自ら固まることができず、昔の砂壁のように「合成樹脂」を使う必要があります。材料の半分以上が合成樹脂なので「自然素材」と謳うのはどうかと思います。

最後に、ホワイトセメント。
安くてカラーも豊富、調湿効果もありますが、化学物質の分解効果は認められていません。「セメント」なのに「西洋漆喰」という商品名で売られているものもあります。

私は、漆喰の魅力にほれ込んで、外装用「ホワイトウォール」と内装用「塩焼漆喰」を開発し、全国に販売しています。2013年に「漆喰元年」宣言をして、漆喰の時代を予告したのですが、実際に漆喰人気が上昇しているのを感じています。

 

 

漆喰とクロス、メンテナンスはどっちがラク?

ウィングホームは、天井・壁ともに漆喰仕上げが標準なのですが、以前は、漆喰のコストダウンができきれていない時期があり、漆喰か紙クロスかを選択してもらっていました。

そのとき、1階を漆喰、2階を紙クロスにしたお客様がいたのですが、数年後に寄らせていいただいたときに、しきりに2階も漆喰にしておけば良かったとおっしゃられました。

「漆喰は角が擦れても自分で直せるけど、クロスだと何もできない。」
「子供の手あかも漆喰だと湿った布で強く擦れるし、強い汚れは消しゴムや紙やすりで落とせる。でもクロスだと強く擦ると破れちゃう。」
理由を尋ねたら、こう教えてくれました。

また、洗面脱衣室を紙クロスにしたお宅で、住み始めて2年目に、洗濯ものの乾きが違うとの理由で、紙クロスを漆喰に替えるリフォームをいただいたともあります。

 

漆喰の欠点ってあるの?

もちろんあります。

まず、漆喰そのものが高いこと。そして、施工に手間がかかること。
つまり、材料+施工費がばかにならないということです。

漆喰は当初強アルカリ性なので、プラスターボードに直接塗ることはできません。何らかの下地処理を施さないと、ボードの紙を痛めてしまい付着性を損なうため、確かな下地処理が必要となります。

また、漆喰自体がカチカチに固まっているため、揺れやすい家だと壁に入った亀裂は、そのまま漆喰の割れにつながります。

だから、漆喰を使っていい家は限られてしまうのです。その代わり、しっかり施工された家に、漆喰を適切に施工すればメンテナンスだけでなく最高の空気環境が得られます。

使う家を選ぶ超高級材料、それが漆喰です。

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 社長

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現社長。自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 スタッフ紹介