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今回はデザインについて私見を書きたいと思います。特にデザインを勉強したことはないので、30年間住宅デザインに携わってきた者としての感覚的な話になるのをご容赦ください。
デザインとは
デザインとは、ある目的を達成するための秀悦な手段だと思います。秀悦とは誰が見ても美しく、誰の心も乱さないこと。
「太陽と北風」という有名な童話があります。結果的に太陽が勝ちましたが、旅人は暑がってコートを脱いでいるのでhappyではありません。
もし、楽しい音楽を流して、旅人が踊りたくなってコートを脱いだとしたら、全ての人が幸せになる、オールウィンの手段となります。これがデザインが秀悦であり、美しいということです。
住宅デザインのカテゴリー
住宅は、いくつかのフェイズで複数のデザインが重なりあっています。
例えば、間取りを描くときには、そのご家族のコンセプトをデザインすることから始まります。
「家が私を大切にしてくれる」
これはプレミアムオーダーという新しいカテゴリーのコンセプトです。パワースポットを柔らかく表現しています。
「家にいるだけで楽しい」
「いくつになっても帰りたくなる家」
「景色とともに暮らす」
など。
次に暮らしのデザイン。
家事を時短するためのデザイン、お掃除を簡単にするためのデザインなど。ここでの主役は動線です。家事動線、収納動線など、数多くの動線をデザインします。
そして、一番デザインを左右するのは、視覚的なデザインとなります。
視覚デザイン 3つのポイント
住宅の場合ポイントは3つ。
一つ目は、『引き算と足し算』です。
引き算は特に大切です。
色を減らす、カタチを統一する、角を減らす。下の画像は外の水盤のタイルとソファーの色を揃えることによって、グリーンを際立たせています。
足し算は、 外部とつなげること。
しかも色や余分なものを減らしながらです。
例えば、先日建前をしたお宅からは富士山が見えるのですが、富士山の下に隣家や工場が見えるため、窓を高くして富士山だけを見えるようにしました。まさに足し算と引き算を同時に行った例です。
二つ目は『広がりの演出』
リビングを広く見せたいというご要望がありますが、まずは視線を通すことです。これは空間から柱や壁を無くすわけではありません。一部分でもいいから向こう側が見通せるということです。壁の向こうをチラ見せすることで錯覚を使い広さを演出する方法もあります。
予定不調和を利用することもあります。これは感動を与え、その空間が記憶に残ります。玄関ドアを開けた瞬間に、上の画像のような景色が飛び込んできたらいかがですか?
3つ目は陰影。
光と影です。
ライトにより影を主役にすることもあります。サーカスの時にテントに映る空中ブランコの影のほうに心を奪われた経験はありませんか?
今までの話は、オールラウンドに使えるポイントです。個々のお宅については、住宅の場合には特に、そこに住む人が美しいと思うデザインでいいと思います。とはいえ、初めての家を自分だけでデザインするのは不安ですよね。他人から見てどうかも気になることかと思います。そういう場合は、形状はプロに任せて、素材や配色、タイルなどをご自分で選ぶようにすれば程よくまとまるのではないでしょうか?