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ウィングホーム十八番の小屋裏エアコン
ここ数年でだいぶ普及してきましたが、全国的に見たらまだまだゼロに近いです。
なぜ、流行らないかというと、家の高気密高断熱化と屋根断熱(小屋裏が断熱空間であること)が必要不可欠で、さらに蓄熱性も要求されるからです。
ようやく最近になって、家自体の性能が高まり、著名な設計士が小屋裏エアコンを推奨するようになったので、これからは徐々に普及していくのではないかと期待しています。
日本人の夏を健康にするためにも早期の普及を望んでいます!
家庭用エアコン一台で空気じゃなくて家を冷やす
この画期的な発想
「私が発案者です!」
と言ってもいいのですが、特許を取ってないので定かではありません。
でも、この発想は自宅での実験から生まれたもので、自分発信のアイディアであることは確かです。
誕生秘話をお話しします
平成12年に自宅を新築したことがきっかけです。
当時すでにパッシブソーラーハウス(自然エネルギーを利用した省エネ住宅)が誕生していて、私の家も見様見真似で当時の最先端技術をパクって作りました。
その技術の一つに、屋根断熱された小屋裏に窓をつくり夏の間に通風することで、家の排熱と同時に低温の空気を取り入れ家を冷やす、というノウハウがありました。
小屋裏の窓は高さ6~7mの位置にあるので、地上の温度より1度低く、特に夜間は涼しい風が入ってきます。
自宅が完成して初めて迎えた平成13年の夏、エアコンを点けていないのにヒンヤリした室内に毎日感動をしていました。
でも、8月になって問題が発生しました。
お盆前後の2週間、熱帯夜が続き無風になると、小屋裏の窓から涼しい風を取り込むことが困難になって家の温度が上昇してしまうのです。それでも、初めての夏は、我慢してエアコンなしで過ごしました。私の実験につき合わされた家族は大変だったことでしょう。(笑)
翌年の夏は、逆に自由にエアコンを使ってデータをとりました。リビングと寝室、子供部屋の3台のエアコンは良く効いて、断熱がいいとエアコンの効きも良いことを知りました。
小屋裏の窓から涼しい風を取り込むというノウハウは、特に初期費用が嵩むわけでもないので、その後も提案し続けていましたが、あるお宅で問題が発覚しました。
それは、駅前商店街に建てたお宅で、夏になって小屋裏から風を入れても涼しくなりませんでした。理由は単純、家の周りに建物が込み合っていて緑地もないため、外の空気の温度が夜間になっても下がらなかったのです。
「盆前後の2週間くらい我慢すればエアコンなしでいいと思っていたけど、建設地によってはそうはいかない。」
外の空気だけで家を冷やすのは限界があることを知りました。
だったら、小屋裏をエアコンで冷やしてみよう!
翌年の夏、自宅の小屋裏にエアコンを設置しました。6~8帖の小さな家庭用エアコンでした。
効果はテキメン。エアコン一台を点けっぱなしにすることで家中快適になりました。
でも、不思議なことがありました。温度を測ると、1、2階とも29度~30度で決して低くはありません。理由はあとになって分かったのですが、家自体が29~30度に冷やされているため、冷輻射を受けて涼しいのです。
もちろん、運動の後などでもう少し冷やしたいときもありますが、そういうときは一時的に部屋のエアコンを使えばいいのです。
優れた温熱環境とは
部屋の空気温度と構成部材(床壁天井)温度を一定にすることが第一条件です。
逆に、夏2階に上がったら頭がムンムン暑いのでエアコンの風に直接当たるという行為は最悪です。自律神経が混乱してエアコン病になってしまいます。
ヒンヤリ涼しいとか、ホンノリ暖かいというのが正解なのです。
小屋裏エアコンは空気の温度はあまり下げずにヒンヤリ涼しいを実現しました。
気になる電気代は?
自宅のデータから、小屋裏エアコン点けっぱなしのほうが、普通にエアコンを使うよりも月々3000円安くなることが分かっています。
「エアコンは点けた瞬間の立ち上がりに電気を大量消費するため、点けっぱなしのほうが電気代が掛からない」
この事実は10年以上唱えていたのに、なかなか信用してもらえませんでした。モデルハウスでエアコンをひと夏点けっぱなしにしたときの電気代が約3千円であることを説明しても、やはり理解しにくいようでした。
でも、ようやく最近になってマスコミでも話題になったので、これからは理解が進むのではないかと安堵しています。
それは電気代だけの理由ではありません。暑さ寒さを我慢して暮らすのと、暑さ寒さを意識せずに一年中快適に暮らすのとでは幸福度が全く違います。ムリをすればストレスにもなるし、病気になるリスクも高まりますから。
せっかく新築するのですから、一年中快適に過ごしてもらいたいのです。