◆知っておいた方がいいこと…
これから住まいづくりを計画される方には重要なお話です。
昨年(令和3年)は、コロナウィルスの影響などによりウッドショックが起きたことは以前にもお知らせいたしましたので、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
(令和3年のウッドショック情報はコチラ)
昨年末あたりから木材の価格については高止まりを見せている状況が続いており、下がる気配を感じられないのが現状です。
木造住宅には欠かせない柱(集成)の価格を見てみると、すぎ材で約2倍。ホワイトウッド材については2.7倍になっています。
合板の価格を見てみると、この1年で約1.4倍になっています。
特に注意が必要な点としては、直近で価格が急騰している点です。
(参考:農林水産省 木材流通統計調査令和4年2月報告よりグラフ化)
◆住まいづくりの今後について…
木材が急騰している状況からみると、昨年のウッドショックがまだ尾を引いていて価格が下がるまで待とうという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ロシアが起こした戦争の影響はこれから出てくることが懸念されています。
具体的には、世界の森林面積の2割ちかくを占めるロシアの輸出がストップすると、木材はまだまだ値下がりは期待できそうにありません。
それどころか、住まいづくりにおいて天井の下地組みに使われる野縁(のぶち)という材料にはロシア原産の木材が良く使われています。
また、屋根の下地や床の下地に使われる合板についても比較的反りが少ないロシア材が多く使われています。
令和4年3月現在では、既に市場に出回っている材料や輸入済みの製材や合板がまだある為、手に入らないという程の問題にはなっていませんが、国際的な森林認証である「PEFC認証」と「FSC認証」が相次いで、ロシア産とベラルーシ産の木材について「紛争木材」として扱い、認証を一時的に停止すると発表した。
これに対し、3月10日ロシア政府は「非友好国」である日本に対して2022年末まで一部の木材及び木材製品の輸出を停止すると発表した。
このことから、価格面もさることながら住まいづくりには欠かせないこうした材料の流通がこれまでと大きく変わり、木材そのものが不足してくるということが予想出来ます。
上記のような状況を踏まえると、木材業界でもこれから来るであろう木材不足への対応を考慮して価格を下げられないという悪循環に入っているものと思われます。
つまり、遅らせれば遅らせるほど価格上昇や納期遅延・木材不足の影響を受けてしまう可能性が高まってきますので、準備が既に出来ている方については早めに住まいづくりの計画を進められることをお勧めいたします。