WH WEBMAGAZINE
家づくりの秘密基地

台風24号の教訓

9月30日夜から10月1日未明にかけて静岡県を直撃した台風24号。
記録史上最大規模の停電により、10月2日現在でも電気のない生活を余儀なくされているエリアが多く残っています。
風も強く、御前崎市で37.5mの最大瞬間風速を観測しました。

水道が止まったままの地域もあり、信号が作動しないことによる事故も多発し、多くの人の生活に支障をきたしています。被災された方には心よりお悔やみ申し上げます。

 

まだ風吹き荒れる10/1

私は朝6時に、最も風が当たる高台の紅葉台分譲地に向かいました。ここには3件の現場があります。この時点ではまだグループラインに指示を送っていません。寝ているかもしれないスタッフに遠慮したからです。

現場に到着すると、案の定、モデルハウスの屋根下地の板金がめくれあがってバタバタと大きな音を立てていました。その様子を動画にとり、応急処置をしていると、6時45分に設計部長の長島からグループラインに他の現場の被害報告が入りましたので、私も続いて被害報告をあげました。

それからは、次々と監督から各現場の状況が報告されました。誰も指示していないのに、監督は自発的に現場パトロールを開始してくれていました。

LC(ライフコーディネーター)は担当したウィングファミリーさんからの被害報告を受けたり、現場監督からの状況報告をいち早くお客様に連絡してくれたので、大きな混乱もなく、12時には全員集合で月曜ランチを取ることができました。月曜日は週に一度のナツキDeliさんによる全員ランチの日です。シェアショップが停電していなかったのも幸いでした。近くのコンビニからは食材が消えていたので、自宅が停電していたスタッフも助かりました。

思い出したのですが、2009年の未明に起きた地震の時も同様にスタッフ全員で状況確認にあたり12時には全員事務所に集合していました。施工エリアを40分圏内に限定していることと、ひごろから自主的に判断する習慣ができていること、グループラインが常時使われていることが素早い対応につながったのではないかと思います。

 

反省点も多々ありました。

10月1日は終日事務所が停電だったので固定電話がつながらず古くからのウィングファミリーさんにはご迷惑をおかけしたかもしれません。

シェアショップは幸いに停電を免れていたので、携帯の充電、トイレ、会議、月曜ランチは通常通りでした。ノートブックを持ち込んで最小限の事務もできました。

そして、夕方16時半から全体ミーティングを行いました。

ミーティングでは

事務所が停電になって固定電話が不通になったことで、担当者の携帯番号がわからない古くからのウィングファミリーさんは連絡の取りようが無かったのではないか?
⇒これからはアフター用の携帯番号(090-6451-1864)を停電時緊急用としてHP等で告知することにしました。

屋根施工前の防水シート、壁施工前の防水シートが飛散した現場があったが、全く被害がない現場もあった。
⇒風は流体なので予測が難しい。常に最悪の状態をイメージして養生する。強風は浮力を生むため平置きは危険なことを実感した。

停電時のタンクレストイレ、エコキュートの使い方が複雑でウィングファミリーさんから問い合わせがあった。
⇒お引き渡し時に非常時の操作法も説明する。

停電した途端、自宅のフットライト(2011年震災時に会社で支給したもの)が明るく点いて安心した。
⇒標準で各部屋にフットライトを付けていて良かった。

電気が通じている有難さがわかった。
太陽光に対して改めて考えるようになった。
工事中のお客様には現場の状況をいち早く伝えることができて安心してもらった。

などの意見が出ました。

ウィングファミリーさんにはこういった災害時でも安心して過ごしてもらいたいというのが一番の願いです。

 

 

本格的な災害対応

10月2日には事務所も通電して本格的な災害対応が始まりました。
ウィングファミリーさん以外の地域の方からの電話も多数はいっています。

屋根の瓦が飛んだ
飛来物によって外壁が傷ついた
目隠し用の塀が倒れた
シャッターがひずんだ
カーポートの屋根が飛んだ
樋、エアコン冷媒管がゆがんだ

など多くの被害があります。

職人さんだけでは足りず、鈴木専務、不動産担当鈴木、アフター担当岡本、社員職人の近江、中西が直接現地に飛んで応急工事をしてくれています。

 

災害に強い家

今回あらためて災害に強い家とそうでない家があると思いました。

ウィングホームでは原則瓦を禁止しているのですが、正しい選択であると確信しました。台風や地震で瓦が落下するということは、本来人を守るための家が凶器になるということです。
今回、カラーベストが剥がれた新築のお宅も1件ありました。災害という面からいうと、最も軽くてはがれにくいガルバリウムの屋根がベストとなります。

 

 

外壁が傷ついたという被害も多数ありました。
サイディングやガルバリウムの外壁の場合、部分補修が効かず一枚丸々張り替えが必要となります。工事も大変なのですが、問題は色合わせです。外壁材は紫外線によって退色しますので、一枚だけピカピカに目立ってしまって家の雰囲気を崩してしまいます。柄物だと製造中止になっていることが多く、貼り替えできないこともあります。

一方、ウィングホーム標準の塗壁は部分補修が可能です。下地の断熱ボードがクッションとなって大きく割れることがありません。色ものであっても簡単に現場調色できます。

オメガジャパンという同族会社でウィングと同じ外壁材を全国に販売しているため、台風21号のときも全国から画像とともに補修の問い合わせが多数ありました。しかし、どの現場な簡単な修理で済んでいます。

 

まだ復旧の最中ですが

振り返ってみて、今回は携帯電話に助けられました。普段からラインの全体グループで情報共有しながら自発的に仕事していることも良かったです。

水が出たこと。シェアショップが通電していたこともラッキーでした。

もし、水が出なかったら、飲み水の確保が最優先になったことでしょう。水がなければ身体がまいってしまいアフターもできなくなってしまいます。
トイレは当面は現場の仮設トイレが使えるね、と安心しましたが、地域へ開放することになればあっという間に使えなくなってしまうことでしょう。
ちなみに、富田倉庫にはいざというときのために、大量のブルーシート、べニア、簡易トイレなどが保管されています。

もしも大地震の場合は?
余震があるため、人命優先で現場パトロールを制限せざるを得なかったと熊本地震震源地の工務店社長から聞いたことがあります。
東北の工務店社長からはインフラの復旧を優先するため、しばらくの間ガソリンの購入に制限があったと聞いています。

やはり一番は災害に強い家、いざというときご家族を守る家を提供することが私たちの使命です。災害が起こってからいち早く対応するのも大事ですが、被災しない家づくりが最も大切です。
そして、ご家族の皆様には日ごろから災害対策をしておいていただくことをお勧めします。

 

斎藤元志

投稿者: 斎藤元志 社長

ウィングホーム株式会社の創業者であり、現社長。スタッフを家族のように愛しつつ、主体性や個性を尊重する経営スタンスは、独自の世界観を漂わせている。日本屈指の断熱性能を誇る注文住宅を市場に提供し、自らを「断熱バカ」だと揶揄する一面も。 漆喰(商品名ホワイトウォール)などの塗り壁材、建築建材のメーカーであるオメガジャパン株式会社の代表取締役 社長。 元ラガーマンである。