いま、住宅業界を揺るがす大危機が迫っています
例えて言うなら、かつて経験したことのない大型台風が日本列島に迫っているような状態です
6月には上陸し、間違いなく壊滅的な被害をもたらすことが予想されます
それは、「木材不足」とこれに伴う「木材価格の高騰」です
鈴木社長はいち早くこの情報を掴み、3/14のブログでお知らせしておりますので、背景についてはこちらをご覧ください
住宅会社、工務店の3割が倒産する
友人の神奈川の工務店社長がFBにあげていました
基礎まで完成して、いざ建前というときになって材木屋さんから、「木材が入手できないから建前の材料が納品できない、いつになったら入荷するのか見通しが立たない」と連絡があったそうです
この業界に30年おりますが、こんな話は聞いたことはありません
木材だけでなく他の住宅資材も価格高騰、不足、輸送の遅れの話題で事欠きません
家が建たないということは、売上が立たないということ
自転車操業や赤字経営しているところは倒産してしまう恐れがあります
契約金を支払ってから倒産されたときの悲惨さは、Fハウスが倒産したときの悲惨な話を知っている人はよくわかっていると思います
営業マンを信用して契約時に全額支払ってしまい、その後、今まで住んでいた家を解体してアパートに借り住まい、さあ着工だというときに住宅会社が倒産、貯金も家も失ってしまったという悲惨な話もあります
資金繰りが厳しくなって倒産するので、倒産間際はあの手この手でお客様のお金を前払いさせようとしますのでご注意ください
大切な貯金を失わないために
振袖レンタル会社や旅行会社が倒産して、預けてあった予約金が返ってこないというニュースは毎年のように聞きます
この場合、失う金額はいっても10万円以下です
住宅の場合は桁が二つ増えますので、よほど注意が必要です
一番大事なのは、住宅会社選びを慎重にすることです
時節柄、財務状況の調査はマストです
赤字の会社や借り入れが多い会社は今の時期は避けたほうがいいと思います
(どうしても調査方法を知りたい方は私までご連絡ください)
次に大事なのは、住宅会社が決まったとしても、なるべく前金を払わないことです
前金というのは契約金(頭金)や着工金のことで、出来上がる前に出来高以上に支払う前払い金のことです
基礎までできていても建前ができずに倒産してしまう可能性がありますので、建前が終わるまではなるべく支払いを減らしてもらいましょう
契約前に支払いスケジュールを確認し、もし支払いを急かすようだったら、その会社は気を付けたほうがよいでしょう
家づくりは延期した方がいいのか
心配性の方は延期するのも手だと思います
予定通りの着工ができなかったり引渡しが延期されたりして、先行き不明のなかの工事となるので、毎日不安になってしまう人もいるでしょう
幸せになるための家づくりで不安のあまり病気になってしまったら本末転倒ですから
ただし、世界的なカネ余り、インフレ傾向であるため、数年後は今よりも住宅価格が上昇していることにもご留意ください
私は30年この業界にいてバブルもバブル崩壊も経験していますが、結局のところ住宅資材は年々緩やかですが値が上がっています
今回も緩やかな価格上昇を望みますが、今後は急角度で値上がりが進む確率のほうが高いと思われます
なぜなら、世界各国では当たり前にインフレが続いており、日本のデフレが異常であり、今後日本の物価が世界水準に適応していくのは当然の流れだからです
だから、私は勇気を出して前に進むことをお勧めします
とはいえ、初めての家づくりで不安がいっぱいだと思いますので、信頼できる住宅会社を見つけて一緒になってこの状況を乗り切っていきましょう
具体的にどうすれべいいのか
財務状況がよくて信頼できる住宅会社が決まったら、なるべく早く図面を確定して設備や仕様を決めて、発注しましょう
木材は時価となりますが、それ以外は価格改正前に発注したものはその価格が約束されます
同時に請負契約を締結することになると思いますが、万一の倒産リスクに備えて、なるべく契約金は少なくしてもらいましょう(例えば100万円程度)
こうすることで、住宅資材の値上がりによる影響は最小限に抑えられます
ただし、木材が入荷するまでは着工できないため、完成引渡しも確約できる状況でないことはご理解ください
また、日に日に木材価格が上昇していくと思われますので、どこまでを住宅会社が担保してくれるかは確認する必要があります
日本経済はどうなっちゃうの
住宅産業はすそ野が広く、家が建たないと多くの業種が停滞してしまいます
大工さん、電気、水道、カーテンはもちろん、家具や家電だって、新築需要がなくなってしまいます
GDPを3%引き下げるくらいの衝撃だという人もいます
大胆な仮説ですが、欧米では一握りのお金持ちしか注文住宅を建てられないと言われています
日本でも、資材不足、資材高騰、住宅価格の高騰と進み、10年後には同じ状況になるかもしれません
ドイツのパッシブソーラーの新築住宅を見学に行ったとき、省エネ設備の壮大さにも驚いたのですが、もっと驚いたのは「住宅価格が高くなりすぎて貴族にしか買えない」言われたことです
いずれにせよ、コロナが社会の変化を加速していることは事実です
私たちも刻々と変化する環境に合わせて変化を続け、お客様に安心して家づくりを楽しんでいただける環境を維持したいと思っています
※今回の木材不足、住宅価格に関する予測はあくまで私見です
6月を過ぎればピークアウトするとの見解もあることを加筆しておきます